【理学療法士が教える】子どもが鉛筆を上手に持てない原因と解決策!家庭でできる簡単なトレーニング法

子どもが鉛筆をきちんと持てなかったり、握り方が弱くてすぐに落としてしまう場合、親として「どうしたらいいのだろう?」と悩むことがあるかもしれません。

このような状況は、子どもの運動発達や指先の使い方の問題に起因する場合があります。

今回は、主に考えられる原因と、それに対する具体的なアプローチについてお話しします。

鉛筆を持てない原因は2つに分かれる

鉛筆を持てない、すぐに落としてしまう場合の原因は、大きく以下の2つに分けられます。

  1. 指先の不器用さ
    鉛筆を正しく持ったり動かしたりするには、指先を細かく動かす能力が必要です。この能力が十分に発達していないと、鉛筆をスムーズに操作することが難しくなります。
  2. 指先や握力の弱さ
    鉛筆をしっかり握るためには、指先や手全体の筋力が必要です。この筋力が弱いと、鉛筆を安定して持ち続けることが難しくなります。

これらの問題は単独で起こる場合もあれば、両方が重なっている場合もあります。それぞれの原因を詳しく見ていきましょう。

①指先の不器用さの原因と対策

指先の不器用さとは

指先の不器用さは、手や指の細かな動きをコントロールする力が不足している状態です。

これは「微細運動能力」の発達が不十分なために起こります。

微細運動能力は、赤ちゃんの頃から少しずつ育まれるもので、積み木遊びや粘土遊びなど、手先を使う遊びを通じて発達します。

指先の不器用さへの対応策

遊びを通じてトレーニング

ビーズ通しや紐通し

細いビーズに糸を通す遊びは、指先の器用さを鍛えるのに効果的です。

集中力も養えるため、学習にも良い影響があります。

折り紙や工作

折り紙は、指先を繊細に動かす練習になります。

子どもの好きなキャラクターや形を一緒に作ると、楽しく取り組めます。

他にもこんな遊びがオススメです

遊び内容
指絵の具遊び指を使って絵の具で描く遊びは、楽しく創造性を発揮しながら指先を動かす練習になります。感触を楽しみながら、指の力と器用さを養うことができます。
おはじき遊びおはじきを指ではじく動きは、指の筋力と器用さの練習になります。遊び感覚で行えることで、集中力も高まります。
積み木やブロック遊び積み木やブロックを組み立てたり積み上げたりすることで、指先の動きを細かくコントロールする練習になります。空間認識力や創造力も高まります。
紐結び練習靴紐や紐を結ぶ練習を通じて、細かい指の動きや協調性を養えます。実用的なスキルを身につけながら、指先を鍛えることができます。

正しい鉛筆の持ち方を教える

鉛筆を持つ指の配置を分かりやすく示す「三角形鉛筆」や「鉛筆グリップ」を活用するのもおすすめです。

一緒に練習する際には、親が手を添えてサポートしながら教えると、子どもが感覚を掴みやすくなります。

②指先や握力の弱さの原因と対策

指先や握力が弱い理由

握力や指先の力の生活環境や日々の運動量が関係していることもあります。

たとえば、スマホやタブレットを使用する時間が増え、従来の遊びで手や指を積極的に使う機会が減っていることが原因となるなどがあります。

指先や握力を鍛える方法

握力を強化する遊び

粘土やスライム遊び

柔らかい粘土やスライムをつまんだり握ったりすることで、自然と指先や手全体の筋力が鍛えられます。

洗濯ばさみやクリップを使った遊び

洗濯ばさみをつけたり外したりする動きは、指の力を鍛えるのに最適です。遊びとして取り入れると楽しく続けられます。

全身を使う運動

握力を強化するには、全身運動も重要です。

公園遊び(鉄棒やロープ登りなど、手を使う遊び)やボール遊びなどを積極的行うようにしましょう。

他にもこんな遊びがオススメです

遊び内容
レゴや小さなパズル組み立て小さな部品を組み立てる遊びは、指先の細かい動きと握力を鍛えるのに効果的。創造力を刺激しながら楽しく取り組めます。
お手玉遊びお手玉を投げたりキャッチしたりする動きは、指先の器用さや握力を鍛えるだけでなく、手と目の協調性も高めます。昔ながらの遊びで親しみやすい活動です。
指相撲親子や友達同士で指相撲をすることで、握力や指の力を鍛えられます。ゲーム感覚で楽しみながらトレーニングできます。
ジェンガ遊びジェンガのブロックを慎重に引き抜いたり積み上げたりする動きは、指先の器用さと握力を同時に鍛えることができます。家族や友人と一緒に楽しめる遊びです。

日常生活に取り入れる工夫をしよう

鉛筆の持ち方や指先の力を鍛えるために、日常生活でできる工夫をいくつかご紹介します。

  1. 食事の時間を活用する
    箸を使った食事は、指先を使う良いトレーニングになります。特にお箸の使い方を学ぶ過程で、指先の器用さと握力が自然と養われます。
  2. 家庭内での手作業を取り入れる
    料理や掃除など、手を使う家事をお手伝いしてもらうのも良い方法です。例えば、野菜を洗ったり皮をむいたりする作業は、楽しみながら手先を鍛えられます。
  3. 遊びを中心に学びを進める
    子どもは遊びを通して多くのことを学びます。楽しく取り組める方法を探し、子どもが無理なく挑戦できるようにサポートしましょう。

おわりに

鉛筆を持てない、握り方が弱いという問題は、子どもの体の発達に由来することが多くあります。

焦らず、日常生活に楽しい取り組みを取り入れながら、少しずつ改善を目指していきましょう。

適切なアプローチがあれば、子どもは自然とスキルを身につけ、自信を持って鉛筆を使えるようになります。

子どもの成長を見守りながら、一緒に楽しむ気持ちを忘れずに進めていきましょう。