子どもの体の柔軟性を高める!発達段階別、おすすめストレッチ&運動

子どもの健やかな成長には、適切な運動と柔軟性の発達が欠かせません。

柔軟性は単なる体の柔らかさだけでなく、子どもの全体的な身体能力、運動機能、そして将来の健康に大きな影響を与えます。

この記事では、お子さんの年齢に合わせた「発達段階別おすすめのトレーニング方法」をご紹介します。

1. 乳児期(0〜1歳):土台づくりの時期

乳児期は、体の基本的な動きと感覚を獲得する最も重要な時期です。

この時期の運動は、子どもの神経系の発達と身体機能の基礎を形成において、とても重要な時期です。

ベビーマッサージの効果

ベビーマッサージは単なるスキンシップ以上の意味があります。優しく丁寧な触れ方は、赤ちゃんの筋肉や関節の柔軟性を高めるだけでなく、脳の発達も促進します。例えば、優しく腕や脚を曲げ伸ばしする簡単なマッサージは、関節の可動域を広げ、筋肉の緊張をほぐす効果があります。

安全な関節可動域トレーニング

基本的に赤ちゃんは、試行錯誤する中で自然に動きを覚え、自分で学んでいくものです。

そのため、大人が一方的にトレーニングなどをさせる必要はありませんが、お子さんのキャラクターによっては「あまり動かないタイプのお子さん(個性)」もおられます。

そういったタイプのお子さんの場合は、以下の動きを大人が一緒にしてあげることで、運動や活動への意欲を引き出す意味で効果的です。

  • 足を優しく曲げ伸ばしする
  • 腕を優しく回す
  • あおむけから横向きに寝返りを促す

寝返り・ハイハイを促す遊び

おもちゃを少し遠くに置いたり、音の出るおもちゃで刺激を与えることで、赤ちゃんの興味関心を育てると同時に、自然と体を動かす機会を作りましょう。

2. 幼児期前期(1〜3歳):基本的な動きの獲得

この時期は、走る、跳ぶ、投げるといった基本的な運動スキルを身につける重要な段階です。

音楽に合わせた簡単なストレッチ

リズム遊びに組み合わせたストレッチは、子どもたちが楽しみながら柔軟性を高められる方法として、とてもオススメできる方法です。

  • 「頭、肩、ひざ、ポン」のような歌に合わせて体を動かす
  • 動物の真似をするストレッチ(熊のように這う、猫のように背中を丸める)

遊具を使った柔軟性トレーニング

公園の遊具は絶好の柔軟性トレーニング場所です。下記のような遊具を積極的に使うことで、体の柔軟性が向上するだけでなく、筋力や持久力を高めることもできます。

  • すべり台での上り下り
  • ブランコでのバランス感覚の向上
  • クライミング遊具での全身運動

バランス感覚を育む運動

片足立ちや、障害物をまたぐ遊びは、柔軟性とバランス感覚を同時に鍛えられます。

3. 幼児期後期(3〜6歳):協調運動の発達

この時期は、より複雑な運動スキルを学び、体の各部位の協調性が発達する重要な段階です。

サーキットトレーニングの効果

簡単な障害物コースを作り、様々な動きを組み合わせることで、総合的な運動能力を高められます。
例:

  • クッションをまたぐ
  • 低い障害物をくぐる
  • ジグザグに走る

遊びながらできる柔軟体操

ゲーム感覚で楽しめる柔軟体操が効果的です。

  • 鬼ごっこ
  • だるまさんがころんだ
  • 音楽に合わせたダンス

また、こういった遊びを集団で行うことで、柔軟性だけでなく、協調性や社会性も育むことができます。

4. 学童期(6〜12歳):本格的な運動スキルの習得

この時期は、より専門的で科学的なアプローチが可能になります。

ストレッチを行う際のポイント

下記のポイントに注意して、無理のない範囲でストレッチを行うようにしましょう。

  • ゆっくりと、反動をつけずにストレッチ
  • 痛みを感じない範囲で行う
  • 呼吸と連動したストレッチ

スポーツ種目別の柔軟性トレーニング

各スポーツに特化した柔軟性トレーニングを取り入れることで、パフォーマンス向上と怪我予防につながります。

これについても、お子さん一人ひとりの運動パフォーマンスにあった柔軟性トレーニングを実施することが大切になります。

必要に応じて、お子さんの柔軟性をチェックしたり、モチベーションにも配慮した上で柔軟性トレーニングを構築するようにしましょう。

怪我予防のための正しいウォームアップ

適切なウォームアップは、柔軟性を高めるだけでなく、怪我のリスクを大幅に減らします。

また、いきなり運動を始めることに比べ、ウォームアップを適切に取り入れることは、心肺機能に急激に負荷がかかることを予防する効果もあります。

5. 注意すべき点と適切な大人のサポート方法

柔軟性を高めるためには、時間をかけて少しずつ取り組んでいくことがポイントです。

そのために保護者の方をはじめとする大人は、お子さんが無理のないペースで、かつモチベーションを維持しながら柔軟性向上のための取り組みが行えるよう下記のような配慮を行ってあげましょう。

無理のない柔軟性トレーニング

  • 子どもの興味や体調に合わせて
  • 強制せず、楽しむことを最優先に
  • 個人差を理解し、焦らない

子どもの体調と個性に合わせた対応

お子さんの発達速度や得意不得意を尊重してあげましょう。

特に幼児期の発達は、お子さんによって大きく違いがあります。


そのため、他のお子さんにとっては楽な活動でも、難しい・しんどいと感じることもあります。

そのような場合は、十分に休息を取りながら進めるなど、お子さんの発達状況や体の状況に合わせた対応をしてあげましょう。

楽しみながら継続するためのコツ

  • 褒める
  • 一緒に取り組む
  • 多様な運動を取り入れる

まとめ

子どもの柔軟性は、単なる体の柔らかさだけでなく、総合的な身体能力、脳の発達などにも関係します。

また、大人になった時の姿勢や活動にも影響を及ぼすなど、将来の健康やお子さん人生に大きく影響する重要な要素でもあります。

お子さんの個性や体の状況、気持ちに沿った柔軟性を高める取り組みをしていただくことで、楽しみながら体を育てていくことができるでしょう。