「根性」で姿勢は良くならない

wpid-wp-1456202550174.jpeg
「根性を出せ!」、「やる気があれば絶対できる!」と言う言葉、昔は学校や部活動でよく聞いたものですが、最近はどうなのでしょう?

少なくとも子供の姿勢(もちろん大人にも言えることですが)においては、「根性」で良くなることはありません。

なぜか?

良い姿勢というものは、「良い姿勢の状態を経験し、それを自覚し、そしてそれを体で覚えるまで繰り返していく」ことが必要だからです。
そしてそれを学習していくのは、「精神」ではなく、「脳」だからです。
特に、大脳と小脳の連携によって獲得していくものなのです。

逆に言えば、これらのことができていれば、根性がなくても自然に姿勢は良くなります。

例えば、人前に出て注目されるような職業の方(政治家や俳優さんなど)の多くは姿勢が良いですよね。
これは普段から「人に見られている」という意識があり、それがきっかけとなり、いつもシャンと背筋を伸ばしているという習慣があるからこそなのです。政治家はお年を召しても良い姿勢である方が多いですが、こういったこと(習慣)が背景にあるのではないかと思います。

このように姿勢を良くするには、根性よりも習慣が大事だと言えます。そして良い姿勢を習慣付けるには、「どうすれば良い姿勢が取れるのか」、「どこにポイントを置くのか」ということを理解しておく必要があります。

また親御さんが子供さんに向かって漠然と「自分で気をつけて姿勢よくしなさい」ということもあまり意味がありません。

なぜ意味がないのでしょうか?

それは、子供さんが「良い姿勢がどういうものか」を知らないからです。大人と違い子供は良い姿勢がどういう状態で、どういう体の使い方をすればよいのかについて実感がないのです。実感がなくて当たり前。なぜなら成長途中だからです。成長とは知らないことを経験し、その経験を記憶の中に蓄積していくことであると言えます。つまり発達途中にある子供さんは、「知っていること」をどんどん増やしている最中です。大人(親御さんや子供を取り巻く大人)の役割は子供が知らないことを教え、そして間違っていれば修正の仕方を教え、子供が失敗を重ねながらゆっくり成長していくのを見守ってあげることです。

そのためにはまず大人が良い姿勢のことを知り、体験しましょう。あとはそれを子供さんに伝えて一緒に実践するのみです。
根性ではなく、知識と繰り返しで姿勢を良くしていきましょう。