子どもは視覚が優位

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体のバランスをとることに関係するのは視覚と体性感覚です。体性感覚とは、触覚や痛覚などの「表在感覚」や関節がどのくらい曲がっているか伸びているかを見なくても感じ取ることのできる「深部感覚」などを指します。
幼児期など発達途中にある子どもにとっては、この体性感覚よりも視覚刺激のほうが優位と言われます。つまり体で感じ取るより目で見て感じ取ることのほうが大事な時期なのですね。

そして実は視覚は小脳との間に大きな関係があるのです。
「前庭動眼反射」という現象があります。これは頭が動いても視線を固定することができる現象のことです。

ちょっと試してみましょう!

まず、本や文字の書いた紙を手に持ってください。
それを目の前30センチくらいのところに保持します。
そして、本や紙を左右に素早く動かして文字を読み取ってみてください。
読み取れましたか?ムリですね?

では次に本や紙を固定して、素早く頭を左右に振って(動かして)文字を読んでみてください。
どうですか?文字を目で追うことができましたね?

本を動かした時はムリでも、頭を左右に振った時には読めます。これが前庭動眼反射というものです。
頭の位置が変わると、対象物(ここでは文字)を読めるように目が反対方向へ動いて常に文字を捉え続けるという現象です。

この機能を司っているのが小脳です。
小脳はおよそ7歳ころまでに発達しますので、子どもが視覚優位なのも、もしかしたらこの前庭動眼反射をしっかりと養うためでもあるのかもしれません。
ですから特に幼児期にしっかりと視覚刺激を入れてあげることは、小脳機能の発達にとっても良いことなのでしょう。
もちろん視覚刺激は遊びの中で入れていくことが大事です。つまり外遊びをはじめ、色々な遊びをすることが視覚と小脳の発達に大切といえますね。
そしてそれが子どものバランスの発達にもつながるのです。