娘の学校ではけん玉を授業に取り入れているようです
娘が学校からお便りをもらって帰ってきました。それには、「学校でもけん玉をはじめますので、公式なけん玉(けん玉協会認定)を購入してください」というけん玉購入のお知らせでした。
しかしその案内文を見て、ちょっと残念な気がしました。なぜならこう書かれていたからです。
けん玉は集中力と技を磨く向上心を培うことができます。
そのとおりだと思います。
しかし、けん玉の効果は決して精神面の発達を促すだけではありません。
体幹機能をはじめ、手指の巧緻性、さらには小脳機能の発達など体機能の発達に欠かせない要素が沢山あるのです。
けん玉の効果は体の発達にも効果的!
けん玉には体の発達にもとても効果的な要素があります。
以前コラムLatteさんの専門家コラムでもその効果について書いています。
昔懐かし「けん玉」効果!体幹を鍛え学習能力を発達させる健康ポイントと上達方法
またけん玉がブームということで、関西テレビさんから取材を受けた記事も書きました。
関西テレビのニュース番組「アンカー」さんから取材を受けました
私はけん玉に限らず、昔ながらの遊びを学校のカリキュラムに取り入れることは大賛成で、以前にもそのことに関するエントリーを書いています。
伝承遊びを小学校の必須科目にするのがいいと思う理由
しかし小学校などの教育機関では、こういった遊びは集中力や向上心、またやる気など精神面での発達にスポットが当たりやすい傾向があります。体の発達は、体育などの「体を鍛える時間」に行うという考え方なのでしょうか。
しかし、心と体の発達は対であり、同時に発達を促すことができる活動を考えることが大切になります。
「精神面での発達はけん玉で、体の発達は体育の授業で」と分けて考える必要はないのですね。
体の発達に大事なのは成功体験ではなく失敗経験
今回のことを通して、けん玉だけでなく伝承遊びの持つ身体機能の発達への効果についてもっと啓発していかなければならないなと痛感しました。
体の発達において、経験値を上げるために大切なのは、成功体験ではなく「失敗経験」です。
じつは小脳は失敗経験を繰り返すことで、間違った方法(体の使い方)をその都度記録していきます。間違うたびにそのやり方を封印していき、二度とその方法を再現しないようにします(専門的には小脳の長期抑制といいます)。
つまり失敗例が多ければ多いほど間違えなくなっていくのです。成功体験の積み重ねを記憶するのではないところが小脳の奥深いところですね。
だからこそ、失敗をどれだけ経験させてあげられるかがポイントになるのです。失敗をたくさんすることで、成功率が上がっていく。そしてそれは成功体験を自然に学ぶことにつながります。
伝承遊びを授業に取り入れようと考えていたり、あるいはすでに取り入れておられる学校の先生方には、精神的な発達面からだけでなく、身体機能面にも好影響があるという視点もぜひ持っていただきたいと思います。