子供の姿勢や体作りのコツについて学べる「子どもと姿勢研究所メールマガジン」。
今回のエッセイは、メールマガジンで書かれているものと同じものを掲載します。
原則的にメールマガジンは購読者の方以外は非公開の内容となっていますが、今回メールマガジンの雰囲気を知っていただくために少しご紹介します。
昨年11月に発行したメルマガです。それではごゆっくりどうぞ。
人の背骨はS字にカーブしている
人の背骨は、まっすぐに伸びた棒のようなものではありません。
横から見ると、Sの字を描いたような形にカーブを描いています。
これを「S字カーブ」といい、人の体を左側から見た時に、ちょうとS字と同じ向きで背骨がカーブしています。
S字の理由は重さの分散
では、なぜ人の背骨はS字カーブを描いているのでしょうか。
ビルの鉄骨のように、真っ直ぐでも問題ないように思われるかもしれませんが、実はそれだと不都合があるのです。
その理由は、「S字カーブは、重力方向への重みに対して、クッションの役割がある」からです。
例えば、トンネルの天井がカーブしているのは、上からの重みをカーブ面で上手く分散させ、一部分に重みがかかることのないようにするためです。
背骨のカーブも、上からの重みに対して、衝撃緩衝と分散の役割を持っています。
一番重いのは頭
では、人の体でいう「上からの重み」とは何でしょう。
それは、「頭」です。
頭は、成人でおよそ5kgほどあります。
人が体を起こしている状態(寝ている以外の状態)では、5kgの重みが背骨にかかり続けています。
背骨がカーブしているからこそ、その重みを分散させることができますが、もし、背骨が真っ直ぐだと、頭の重みは背骨にダイレクトに掛かってしまいます。
ところで、うつむいたような姿勢(勉強やパソコン操作など机に向かう作業)では、頭の重みが前方にかかるため、S字カーブが崩れるだけでなく、頭の重みを支えるために、首周囲の筋肉がさらに活動することになります。
そのため、首の疲労(肩こりなど)が起こりやすくなります。
ポータブルゲーム機、スマホ、タブレットなどでは、さらに首を突き出したような姿勢になるため、さらに問題が深刻化します。
姿勢を良くするためには、頭を体の真上に持ってくる
では、子供の姿勢の悪さを改善させるための声掛けは、どうすればよいでしょう。
まずは、「顎を引いて、頭を体の真上に持ってきて!」と指示します。
その次に、「そのまま頭が天井(空)に引っ張りあげられるように、自然に背筋を伸ばして!」というと、無理なく背骨を伸ばしていくことができるでしょう。
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