【Tweet解説】発達障害児における持久力の弱さと運動をさせる時のポイント

発達障害のあるお子さんの「持久力」の課題

発達障害というと、コミュニケーション面や言語面での課題などが、クローズアップされがちです。

しかし、体力(持久力)の課題は、意外と見過ごされがちです。

 

一般論として、発達障害のあるお子さんは、「筋肉の張り」が弱い「低緊張」という現象が良く見られます。

これは、「筋力が弱い」ということではなく、筋肉の張り具合が弱い(筋肉をゴム紐に例えると、張りが弱く弛んでいる状態)ということです。

 

そのため、体幹筋などに持久力を求められるような活動、例えば「長時間椅子に座る」「姿勢を正して字を書く」など、に苦手さがあります。

その結果、持久力が育ちにくい→持久力を求められる運動がさらに苦手になる、という負のループに陥ってしまいがちです。

筋肉の張りは、脳からの司令でコントロールされている

気になるのは、「筋肉の張りを運動で改善することができるか」ということだと思います。

結論から言うと、筋肉の張り具合は、脳からの司令によりコントロールされているため「筋トレをしたから張りが強くなる」というものではありません。

まさに、「その子の特性」「その人の個性」と言えるものであり、根性でどうにかするようなものではありません。

 

しかし、張りが弱い(低緊張)だから、どんな運動をしても意味がないというわけではありません。

幼児期や小学生の時期に、成人に向けてできるだけ身体能力を高めておくことは大切です。

大事なのは、運動の選択方法と取り組ませ方

運動を行うことは、どんな子どもにも大切なことです。

筋肉の張りが弱いお子さん(低緊張のお子さん)の場合、疲労しやすい傾向にあるため、運動の取り組ませ方に注意が必要です。

以下の点に留意するようにしましょう。

  1. 疲労を考慮し、運動の間に十分な休息を入れる
  2. 「短時間・高負荷」な運動は避け、「長時間・低負荷」の運動を選択する
  3. 本人が楽しいと思える運動を選択する

つまり、本人の負担が少ない運動方法を選択し、楽しみながら活動できるということを第一主眼に置くことで、体力・持久力の向上を図るのが良いでしょう。

一つの例として、公園の遊具を一通り使う、という遊びは、体の色々な部分をバランスよく使いつつ、持久力も向上させる効果があります。

乳幼児は遊びの中で体作りをさせよう。公園遊びや伝承遊びは、体の発達に効果的です

まとめ

  • 発達障害のあるお子さんの体力面での課題(低緊張・持久力の弱さ)は見過ごされがちです。
  • 低緊張の状態は、脳でコントロールされているので、「激しいトレーニング」を行うことは効果的ではありません。
  • 疲労を考慮する、低負荷の運動を長く続ける、楽しみながら行える運動を選択する、が最も適切なトレーニング方法です。