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保護者様向け講義を行ってきました
2019年6月15日(土)に、三木市立よかわ認定こども園さんの保護者様向け講義を行ってきました。
ちょうど当日は、園の保護者参観日でした。
100名ほどの保護者の方が参観に来られ、お子さんの普段の保育の様子をご見学された後、私の講義をお聞きいただきました。
テーマは「遊びを通した体作り」で、普段のこども園での活動や遊びが、体の発達や育ちの基礎になる、というお話をさせていただきました。
保護者の皆さんは、とても熱心な方ばかりで、頷きながら(時には私のくだらないギャグにクスクス笑いながら)最後までお話を聞いてくださいました。
園での遊びには、体作りの効果がいっぱい!
保護者の方に特にお伝えしたかったことは、「園での遊びには、体作りや発達の基礎となるものがたくさん含まれている。遊びの裏には様々な発達を促す要素が隠されている」という事実。
特に幼児期は、遊びを通して、からだ・ことば・こころを成長させていきます。
だから何かを強制させたり、我慢を強いて学ばせるのではなく、「遊びの中に、発達を促す要素を入れていくこと」が何より大切になります。
保育活動は、単なる遊びを提供しているのではなく、「発達を促す要素を取り入れた活動」です。
ここに、保育士さんが提供する遊びと、単なる遊びの違いがあります。
活動が子どもの発達に及ぼす効果_講義のスライドからご紹介
今回の講義で使ったスライドから、1つの事例をご紹介します。
下のスライドの写真はよかわ認定こども園さんのブログ記事です(2019年5月の「夏野菜の苗植えをしたよ」という記事です)。
写真右の箇条書きは「苗を植える」ことによる運動発達の効果です。
実にこれだけの発達要素があるのです(スペースの都合で書ききれていませんが、もっと効果はあります)。
このように、苗植えを行うという行為(活動)には、柔軟性・筋力・手と目の協調性・ボディイメージなど、様々な発達を促す要素が隠されているということがお分かりになると思います。
もちろん苗植えは一つの例で、園内で行われている活動のすべてに、このような意義や意味があるのです。
遊びが与える効果について、もう一つ当日のスライドからご紹介しましょう。
しっぽとりの遊びでは、目のコントロールを学ぶことができます。
実は、目のコントロール能力は、小学生になってからの学習に大きく関係します。
目が上手く使えないと、板書をノートに書き写すなどに支障が出るので、学習の遅れにつながるのです。
幼児期にしっぽとりの遊びで、しっかりと「目を使う練習」をするということは、「板書されたものをサッとノートに書き写すことができる」ことの基礎練習を行っているのと同じ意味があるのです。
保護者様向け講義の必要性を感じました
今回の経験から、今後は保護者の方向けの講義も行っていくことの必要性を感じました。
なぜなら、家庭生活の中での遊び(お家や屋外での遊び)の中で、子どもの発達を促すことができる要素も多くあり、保護者の方にそのことを知っていただくことも重要だと思ったからです。
これまでは、保育士さんを対象とした講義を行ってきましたが、保護者の方向けの講義(子どもの発達について、家庭でできる運動遊びなど)も積極的に行っていきたいと思います。
子どもと姿勢研究所では、継続して講義のご依頼を受付しています(保護者様向けの講義についてもお問い合わせください)。
よかわ認定こども園さんでは、保育士さん方が「体作りが推進されるオリジナル体操」を考案中です。
これは、柔軟性・筋力・バランスなど体作りに欠かせない要素がすべて入った体操で、各年齢(クラス)に応じた内容となっています(年齢ごとでそれぞれ体操内容が違います)。
私は、保育士さんが考えた「一つ一つの体操(動き)がもたらす効果」について、医学的根拠を元に考察し、フィードバックする形で参画しています。
体操の動きを一つ一つ分解して、効果を考えていくという手法は、大変な時間と手間のかかるやり方ですが、ここまで丁寧に考えられた体操はそう多くはないのではないかと思っています。
完成が楽しみです。