あやとりの効果|手指の器用さ・両手の協調・空間認知を育てる昔ながらの遊び

1.どんな遊び?

あやとりは、輪にした一本のひもを両手の指にかけ、ひもを取ったり外したりしながら、さまざまな形をつくって楽しむ昔ながらの遊びです。

「ほうき」「はし」「東京タワー」など、一人で形をつくる遊びのほか、二人で交互にひもを取り合いながら形を変えていく「ふたりあやとり」もあります。

使うものは一本のひもだけですが、実際にやってみると、親指や人差し指、小指などを細かく使い分けたり、左右の手で違う動きをしたりと、意外に複雑な動きが必要です。


また、「どのひもを取るのか」「上から取るのか、下から取るのか」など、目でひもの位置を確認しながら指を動かす必要があります。

座って楽しむ静かな遊びですが、手や指だけでなく、手と目の協調や空間認知など、さまざまな力を使う遊びです。

2. 体の発達への効果

手指の巧緻性が育つ

あやとりでは、親指、人差し指、中指、小指などを使い分けながら、必要なひもを取ったり、指にかけたり、外したりします。

特定の指だけを動かしたり、ひもを落とさないように指で保持したりするため、手や指を細かく調整する力が必要になります。


このような手指を目的に合わせて細かく動かす力を「巧緻性」といいます。

手指の巧緻性は、鉛筆を操作する、ハサミを使う、ボタンを留めるなど、子どもの日常生活や学習で必要となるさまざまな動作にも関係しています。

左右の手を協調して使う力

あやとりでは、左右の手を同時に使います。

しかも、両手で同じ動きをするだけではありません。

片方の手でひもの形を保ちながら、反対側の指で別のひもを取るなど、左右の手がそれぞれ違う役割をしながら、一つの動作を完成させていきます。


こうした左右の手を協調して使う力は、紙を押さえながらハサミで切る、片手でノートを押さえながら文字を書く、ボタンを留める、ひもを結ぶなど、日常生活のさまざまな場面で使われています。

あやとりは、遊びながら左右の手を一緒に使う経験をたくさん積める遊びです。

手と目の協調が育つ

あやとりでは、たくさんのひもの中から「次に取るひも」を目で見つけ、その場所に指を正確に動かす必要があります。

つまり、「見ること」と「手を動かすこと」を連動させています。


このように、目から入った情報に合わせて手や指を動かす力を「目と手の協調」といいます。

目と手の協調は、文字を書く、絵を描く、ハサミを使う、ボールを受け取るなど、子どものさまざまな活動に必要になります。

複雑に交差するひもをよく見ながら、目的の場所へ指を動かすあやとりは、目と手を一緒に使う経験にもつながります。

空間認知力が育つ

あやとりでは、「このひもの上」「こちらのひもの下」「手前のひも」「奥にあるひも」など、複数のひもの位置関係を捉えながら操作します。

そのため、単にひもの形を見るだけではなく、上下・前後といった空間的な位置関係を理解する必要があります。


さらに、一つの操作をすると、それまでのひもの形が別の形へと変化します。

「このひもを取ると、どんな形になるのか」と、形の変化を見ながら遊ぶことも、あやとりならではの特徴です。

こうした経験を通して、物の位置や方向、形などを捉える空間認知の力が使われます。

手順を覚えて実行する力

あやとりには、形を完成させるための一定の手順があります。

最初にひもを指にかけ、次にこのひもを取り、その次に別のひもを外すというように、決められた順番で進めていきます。

途中の工程を飛ばしたり、違うひもを取ったりすると、目的の形にはなりません。


最初は大人の動きを見ながら真似していても、繰り返し遊ぶうちに、「次はどうするのか」を自分で思い出しながら進められるようになります。

見た動きを覚える、順番を保持する、それを実際の指の動きとして再現するという一連の経験も、あやとりに含まれている大切な要素です。