- 大人にも姿勢の悪い人が増えている。
- そのため「良い姿勢と悪い姿勢」の判斷が曖昧になっている。
- その理由から、子供に対して姿勢の躾が行われているとは言えない状況にある。
- また大人も子供も睡眠不足の人が多く、姿勢にも悪影響を及ぼしている。
姿勢のしつけの問題
明治以降、着物から洋服へ、畳の上の生活からテーブルと椅子の生活へと日本の生活洋式も変化してきました。
それと同時に姿勢についてのしつけも昔に比べると重要視されていないようです。
例えば、「ご飯を食べる時は背筋をちゃんと伸ばして食べなさい」とか「テレビを見る時に寝転んだりしない!」などです。
「親子でよい姿勢を考えよう」のページにも書いていますが、現代では我々親を含む大人が良い姿勢を意識した生活をしているとは言えなくなっています。
それは電車の座席に座っている人を見ても、会社で座って仕事をしている人を見ても、テレビのトーク番組を見てもお分かりの通りです。
例えばソファに背筋をしゃんと伸ばして座るより、斜めに座って足を組んだ姿勢のほうが格好良いメージがないですか?
特に足を組んだ座り方は、体のバランスから見ても悪い姿勢だと言えます。
しかし今、足を組んで座っている人を見て、「なんて行儀の悪い座り方だ」と思う人は少ないでしょう。
おそらくほとんどの方が「特に悪い姿勢だと思わない」というでしょう。
良い姿勢、良くない姿勢の判断が曖昧だと、どうしても子どもへの姿勢のしつけが放置されてしまいがちです。
姿勢のしつけがあまり行われていない、という事実も子どもの姿勢が悪化している一つの要因になっていると言えます。
姿勢が悪くて親から何度も言われ、良い姿勢を保つよういつも意識していたという経験学習が、無意識に姿勢を正す習慣になっていくものですが、そういう習慣が今の子どもたちには少なくなっていると言えるでしょう。
しかし日本文化では今でも、特に公式な場で良い姿勢を保つことは、美学として捉えられていますし、上司や目上の人の前で姿勢を正しく保つことは礼儀の一つになっています。
そのため子どもたちに良い姿勢のしつけをしていくことは、子どもたちが社会に出た時に礼儀をわきまえている人だと見られるためにも大切なことではないでしょうか。
睡眠リズムの問題
子ども、大人に関わらず睡眠不足の状態で良い姿勢がとれるかというと、それは難しい課題です。
眠気に襲われてぼ~っとしている時に、体がシャキッとしているはずがありません。
最近は大人も子どもも慢性的に睡眠不足の状態になっている方が多いといいます。
その理由は簡単で、ゲーム、テレビ、パソコンなど、深夜であっても暇を持て余さない状況だからでしょう。
仕事で帰りが遅くなる、深夜営業のお店もたくさんある、コンビニに至っては朝まで開いていて当たり前、とどう考えても夜型人間が増える要因がたくさんあります。
慢性的に眠い状態の子どもさんは、姿勢発達もうまくいかないでしょう。
姿勢を保持するのには脳と体の筋肉がしっかり活動しなければならないからです。
「眠い→脳と体がしっかり働かない→良い姿勢がとれない」だけでなく、「よく姿勢が崩れることがある→つい悪い姿勢が当たり前になる→姿勢の崩れだけでなく体力の低下、気力の低下が起こる→それによりさらに姿勢が悪くなる」と負のループに陥ってしまいますので、注意が必要です。
睡眠時間をしっかり確保することは、姿勢のみならず体の発達にとって重要です。
また成長ホルモンの関係からも特に幼児期には睡眠をしっかりとらせてあげましょう。
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