おしくらまんじゅうの効果

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体を温めるという観点からも冬におすすめな遊びが「おしくらまんじゅう」です。

もちろん体を鍛える効果もあります。
特に効果があるのは、「体幹筋」で、その中でも姿勢の安定に関係する腹斜筋と腹横筋が強化されます。

その理由を考えてみます。

体幹筋が強化されるおしくらまんじゅう

おしくらまんじゅう遊びでは、体幹筋が強化されます。

押される方向は一方向からではないことが、さらに実用性のある体幹筋力につながります。

単に、腹筋運動(寝た状態から、お腹の力で起き上がる運動)では学べない、「実用的な使い方」の練習もできます。

以下に、その特徴をご紹介します。

1.その場で(大きく)動かずに力を入れる活動(押したり引いたりという活動)

体を動かさない状態で力を入れることを等尺性収縮と言います。筋肉は力を入れると縮み、リラックスをすると伸びる特徴がありますが、等尺性収縮とは、筋肉の尺(長さ)が変わらない収縮の仕方を指します。

おしくらまんじゅうで相手と同じ力で押し返した場合、相手と力が拮抗すればその場から動きません。この状態の時の力の入れ方が等尺性収縮になります。

このような筋肉の使い方は、背中を伸ばしたままで姿勢を保持するといったような時に腹筋に見られる働き方です。つまりおしくらまんじゅうで腹筋の等尺性収縮の使い方の練習が行えていることになるのです。

2.常に押し返す体の向きを変える必要がある

様々な方向から押され、それに対抗しようとすることで、体幹筋の色々な部分を使います。しかも常に腹圧を高めている状態が続きます。

押し返す方向を調整するということは、体幹筋をまんべんなく使うことにつながります。

3.勝負している間、常に体幹筋が活動し続ける

お腹の力を抜いた途端、相手に押されてしまい、勝負がついてしまいます。

つまり勝つためには、体幹筋を常に活動させ続けておく必要があります。

勝負を楽しみながら、知らず知らずのうちに体幹筋を強化することができます。

4.筋肉の働くタイミングが学べる

おしくらまんじゅうでは、相手から押されたタイミングで押し返す必要がありますが、これが腹横筋をはじめとする体幹筋の働くタイミングを学ぶことにつながります。

筋肉がタイミング良く働かないと、体が不意にバランスを崩した際、立ち直ることができずに転倒してしまうこともあります。

このタイミング良く筋肉が働くようにするためには、筋力トレーニングをしただけでは不十分で、不安定な場面から(失敗しながらも)立ち直る、といった経験学習を多く積むことが必要です。

おしくらまんじゅうは、たくさんの立ち直りの経験学習ができる効率の良い遊びなのです。

実践的な体幹筋の使い方が学べる

このようにおしくらまんじゅうでは、様々な体幹筋の使い方を学習することができます。

これは単純な腹筋運動などに比べて、より実践的な体幹筋の使い方といえ、これらの活動は良い姿勢の獲得にも大きな影響を与えてくれます。