
冬の寒い季節、外遊びが億劫になりがちですが、そんな時期こそおすすめなのが「おしくらまんじゅう」。
この昔ながらの遊びには、体を温める効果だけでなく、体幹筋を効率よく鍛え、姿勢改善にもつながる多くのメリットがあります。
この記事では、理学療法士の視点から、「おしくらまんじゅう」が子どもの発達にどのように役立つのかを詳しく解説します。
おしくらまんじゅうが子どもの姿勢に与える4つの効果
等尺性収縮によって姿勢保持力がアップ
おしくらまんじゅうでは、体を大きく動かさずに「押す」「押し返す」動作が繰り返されます。
このとき腹横筋や腹斜筋などの体幹深部筋が等尺性収縮を行い、姿勢を安定させる力が養われます。
この筋肉の使い方は、座っているときや立っているときの良い姿勢の維持に直結します。
※等尺性収縮とは:筋肉の長さを変えずに力を発揮する収縮。姿勢保持に欠かせない筋活動。
多方向の刺激で体幹をバランスよく鍛える
おしくらまんじゅうでは、一方向からではなく、様々な方向から力を受けるため、それに対応しようと体の向きを変えたり支え直したりします。
この不規則な刺激が体幹全体にバランスよく作用し、偏りのない体幹筋の発達を促します。
遊びながら腹圧を高め、呼吸機能も向上
押し合う動作の中で、お腹にグッと力を入れる=腹圧を高める必要があります。これは発声や呼吸にも関係し、呼吸機能の発達にも良い影響を与えます。
例えば「大声で笑いながら押し合う」場面は、まさに姿勢・体幹・呼吸の三位一体トレーニングです。
筋肉の「使い方のタイミング」を学べる
おしくらまんじゅうの面白さのひとつは、相手の動きに応じて瞬時に体を反応させる点です。
これは、筋肉を適切なタイミングで働かせる協調性の学習にもつながります。
たとえば転倒しそうになったとき、とっさに体幹筋が働いて体を支えられるかどうかは、こうした「実践的な動きの経験」が鍵です。
おしくらまんじゅうで育まれるのは「実用的な筋力」
単なる腹筋運動では学べない、現実の生活で使える筋力=実用的な体幹筋力。
おしくらまんじゅうのような遊びは、その実用的な使い方を、楽しく自然に身につけることができる点が魅力です。
おしくらまんじゅうの効果をさらに高める遊び方のコツ
- 大人数で遊ぶ:力の向きが複雑になり、より高度な体幹の使い方が必要になる
- 地面が柔らかい場所(芝生や砂地など)で行う:バランスを取る力が養われる
- 終了後は深呼吸やストレッチを入れる:体幹筋のケアにも効果的
子どもの姿勢づくりに「昔ながらの遊び」を活かそう
現代では「運動不足」や「姿勢の崩れ」が問題になりがちですが、こうした昔ながらの遊びには、体の発達に必要な要素がギュッと詰まっています。
おしくらまんじゅうは「遊び」と「トレーニング」が融合した最強の体幹遊びです。
まとめ:おしくらまんじゅうは冬の最強エクササイズ!
冬でも体を温めながら、楽しくできる全身運動
姿勢保持に必要な体幹筋(腹横筋・腹斜筋など)を効率よく鍛えられる
押し合いの中で、筋肉の「タイミング」や「使い方」も身につく
呼吸力やバランス感覚の向上にもつながる

