幼児の遊びの王道とも言える「折り紙」。
「想像力を育む」や「心の育ち」などがクローズアップされがちですが、体の発達にも効果が高い遊びです。
ここでは、体や脳の発達という視点で、折り紙遊びの効果をご紹介します。
折り紙の効果(1)指先の巧緻性が向上する
指先の巧緻性とは?
巧緻性とは、細かい作業を行う能力という意味です。
例えば針の穴に糸を通すときのように、集中して細かな作業を行うときの器用さを指します。
幼児期は巧緻性のある作業(活動)が未熟なため、ボタンを留める、靴紐を結ぶなどの手先の器用さが求められる作業が苦手です。
折り紙遊びをすることで、巧緻性(指先の器用さ)を向上させることができます。
お箸や鉛筆の綺麗な持ち方・使い方にもつながる
これは説明するまでもないですね。
お箸や鉛筆は、綺麗に持つこと、綺麗に使うことが重要になります。
それは所作として綺麗、ということだけではなく、「綺麗な使い方=疲れにくい使い方」でもあるということです。
つまり、長い時間、書字をしても疲れにくいため、勉強の集中時間にも関係してきます。
もちろん長時間勉強しても疲れないためには、姿勢の要素も大きいですけれどね。
姿勢よく座るために椅子の高さを調整しよう。ポイントは「足が床に付いていること」と「膝と股関節が直角になっていること」 姿勢よく座るコツは、骨盤を起こすこと 背筋を伸ばすには、骨盤と背骨の位置を見直す
しかし、折り紙は、さらに高い効果があります。
折り紙の効果(2)手と目の協調性が養われる
手と目の協調性とは?
ものを操作したり、作業を行うときには手と目は連動しています。
例えば、ノートに字を書く場合、「鉛筆の先を見ながら、指を動かす」という一見当たり前の活動をしていますが、もし、目が指先を注視することができなければ、字をうまく書くことができません。
このように手と目の協調性があることで、普段私たちが何気なく行なっている活動が行えるのです。
子どもの発達において重要な手と目の協調性
また、手と目の協調性は、スムーズな活動を行うために、無くてはならないものです。
赤ちゃんが発達していく過程においても手と目の協調性は重要な意味を持ちます。
目の前におもちゃに関心を持ち、「触りたい」という欲求が芽生えます。
手を伸ばして触った時、おもちゃの形や柔らかさ、温度など色々な感覚が手を通して、伝わってきます。
その感覚を感じることで、「目で見た時のおもちゃ」と「触った時のおもちゃ」が一致します。
こうやって、経験を積み重ねていくことで、子どもは認知力が高めていきます。
折り紙は手と目を使った活動
折り紙は、目で見て、手を使って折るという、手と目を使った活動です。
また、真っ直ぐに折る、端と端を合わせて折る、など注視(目でじっと、しっかりと見る)することも必要です。
このように、折り紙を折るという遊びは、手と目の協調性を学んでいくことにつながる大切な遊びの一つです。
折り紙の効果(3)体幹機能が向上する
手先を集中して使うためには、体全体が安定しておく必要があります。
体幹が不安定で、グラグラしていたり、体が斜めになった姿勢では、折り紙をうまく折れませんよね。
逆にいうと、キチンと折り紙を折ろうとすることは、無意識に体幹の筋肉を働かせることにつながります。
そのため、折り紙を折る遊びをしていることで、自然に体幹を安定させる取り組みにもつながってくるのです。
体幹機能が向上すれば、普段の姿勢や活動時の姿勢が良くなり、もちろん見た目も美しくなります。
体幹は、すべての活動の基本になる大切な部分ですので、姿勢が良くなるだけでなく、色々なところに好影響がでてきます。
まとめ
折り紙は、1.指先の巧緻性の向上、2.手と目の協調性の向上、3.体幹機能の向上など、日常生活に必ず必要となる活動の基礎を作る練習につながります。
想像力や思考力とともに、体の発達においても効果的です。
また、折り方を想像する→具体的な手(指)の動きにつなげる→失敗したり工夫したりする→成功する→達成感や満足感を得る、などメンタル面での成長にも効果があります。
ぜひ、親子で遊んでみてくださいね。