
幼児の遊びの定番「折り紙」。
「想像力を育む」「情緒を育てる」など心の成長に注目されがちですが、実は身体や感覚の発達にも非常に優れた効果があります。
この記事では、「体や脳の発達」という視点から、折り紙遊びのメリットを詳しくご紹介します。
指先の巧緻性が向上する
巧緻性とは?
巧緻性とは、細かい動作を正確に行う能力のこと。
たとえば、針に糸を通す、ボタンを留める、靴紐を結ぶといった日常動作にも必要なスキルです。
幼児期はこの巧緻性が未熟なため、手先の器用さが求められる活動が苦手な子も多く見られます。
折り紙は、「角を合わせて折る」「折り目をつける」など、細かな手先の操作が必要になるため、自然と巧緻性が高まります。
お箸や鉛筆の綺麗な持ち方にもつながる
折り紙で鍛えた指先の器用さは、鉛筆やお箸の持ち方にも直結します。
綺麗に持つことは見た目の美しさだけでなく、「疲れにくく長時間集中できる」ことにもつながります。
つまり、折り紙の練習は将来的な学習姿勢・集中力の土台づくりにもなるのです。
手と目の協調性が養われる
手と目の協調とは?
「手と目の協調性」とは、目で見た情報をもとに手を正確に動かす力のことです。
- 鉛筆で文字を書くとき
- ボールをキャッチするとき
- 穴にひもを通すとき
これらすべて、目と手がうまく連携しているからこそできる動作です。
折り紙は“注視しながら動かす”絶好のトレーニング
折り紙では、
- 折り目を真っすぐに合わせる
- 端と端をぴったり重ねる
- ずれないように手元を注視する
など、手と目を同時に使った細やかな操作が要求されます。
この経験を繰り返すことで、書字や工作、スポーツにも必要な基礎能力が養われていきます。
体幹機能が向上する
手先の操作には“体幹の安定”が必要
折り紙は静かな遊びに見えますが、実は体幹(体の中心)を安定させる力が必要です。
姿勢が崩れていたり、ぐらついていたりすると、細かい手の操作が難しくなります。
子どもが折り紙に集中するとき、自然と背筋が伸び、体幹の筋肉が働いているのです。
姿勢保持と集中力にも効果
体幹がしっかりしていると、
- 姿勢を長く保てる
- 書く・描くといった活動が安定する
- 集中力を持続しやすい
といった効果もあります。折り紙は、見た目以上に“静かな全身運動”だと言えるでしょう。
聴覚・視覚・固有覚を統合的に育てる感覚あそびでもある
折り紙は感覚統合にも効果的
折り紙は、見る・聞く・動かすという多様な感覚を同時に使う遊びでもあります。
- 視覚:折り目や形を見て正確に判断する
- 聴覚:折り方の説明を聞きながら手を動かす(保育や集団活動時)
- 固有覚:どのくらいの力で折ればよいか、紙の質感を通して調整する
これらの感覚がバランスよく使われることで、**感覚統合力(=複数の感覚をまとめて使う力)**が発達し、動作がスムーズになります。
折り紙は“脳と身体をつなぐ”総合的な学びのツール
折り紙には、身体的な発達以外にも多くの成長要素があります。
- 折り方を想像する
- 試行錯誤する
- 失敗しながら工夫する
- できあがった作品に満足する
このような想像→実行→達成のプロセスは、メンタル面や自己肯定感の向上にもつながります。
親子で一緒に折ることで、共感やコミュニケーションの時間にもなり、情緒面の発達にもプラスの効果をもたらします。
まとめ:折り紙は感覚・運動・思考のすべてを育てる万能遊び
- 指先の巧緻性が高まり、手先が器用になる
- 手と目の協調性が養われ、動作が正確に
- 体幹の安定により姿勢保持力が向上
- 視覚・聴覚・固有覚を同時に使う感覚統合トレーニングになる
- メンタル面でも想像力・達成感・集中力を育てる
シンプルな遊びでありながら、折り紙は“体と心を同時に育てる”最高の知育ツール。
家庭や保育の場で、ぜひ日常的に取り入れていきたい遊びの一つです。




