適切な椅子を選んでいますか?
姿勢が崩れて座っている子どもに、「ちゃんと座りなさい」という声かけをしてもあまり意味がありません。
それはなぜでしょう?
理由は簡単です。
子どもは、「どうなることがちゃんとした姿勢なのかが分からない」からです。
そのため、声かけよりも、体にあった椅子を選ぶことや、背中を伸ばした椅子の座り方を教えるほうが重要なのです。
大事なのは「根性論より環境設定」です。
ということで、今回は体に合った椅子の高さを考える時のポイントをご紹介します。
体に合った椅子の高さを考える時のポイント。「足裏」、「膝の関節」、「股関節」
子どもの体に合った椅子の高さは、以下の3つのポイントを押さえておけばOK。
難しく考える必要はありません。
早速ご紹介しましょう。
1.足の裏が付いていること
体に合った椅子の大前提として、押さえておくことがあります。
それは、「足の裏が付いていること」です。付くのは床でなくてもよいです。
足をブラブラさせた状態では、体が安定しないことは、何となくイメージできやすいですよね。
食卓の椅子など、高さ調整ができない椅子に座っているなら、足台を置いてみましょう。足台は、本を積み重ねたものでも、ステップ台でも何でもよいです。
さて、足裏が付いていることを前提条件として、次のポイントをチェックします。
2.膝の関節が直角になっていること
膝が横から見て、直角(90度)に曲がっていることを確認します。
膝が直角よりも浅い角度の場合、(大人用の椅子に座っているなら)足台が低いかもしれません。
逆に90度以上曲がっているようなら、足台が高いはずです。
椅子の高さや足台の高さを調節して、膝が直角になるようにしましょう。
また、足が付いていても、足を後ろに引いていると、膝の関節は90度以上曲がります。逆に足を前に出していると、膝の関節は90度より浅い角度になります。
足は、膝の真下に置くようにしましょう。
3.股関節が直角になっていること
膝の角度に連動しますが、股関節(股の付根の関節)も直角であることを確認してください。
膝と股関節が直角であれば、太もも全体が椅子の座面にしっかり当たっているはずです。
足台の高さを変えることで、膝と同じく股関節の角度も変わりますので、調整してください。
高さが合えば、後は骨盤の位置を見るだけ
「足裏」、「膝関節」。「股関節」をチェックすることで、高さの調整はできました。
後は「背筋を伸ばしていく」ための工夫をすれば、姿勢良く座るための環境設定はできあがります。
背筋を伸ばすためには、「骨盤が起きている状態」を作ることです。
椅子に座っていると、時間の経過とともに背中が曲がってくることが良くありますが、これは骨盤が後ろに倒れてくることが原因になっていることがほとんどです。
骨盤が後ろに倒れないようにするには、2つの方法があります。
一つは、「お尻の後ろ半分を嵩上げして、強制的に骨盤を起こした位置を作る」ことです。
もう一つは、「子ども自身の腹筋と背筋の力で、骨盤を起こした位置を保持させる」ことです。
環境を設定するか、自分の力を使わせるか、という違いです。
もちろん併用してもOKです。
子ども自身の力を使わせるには、持久力と意識付けが大切になってきますので、付け焼き刃では難しいでしょう。
普段から、姿勢を良く座ろう!という意識付けをさせておくことも大事になってきます。
なお、コラムLatteで姿勢良く座るコツについて、コラム記事を書いていますので、こちらもご参考にしてみてくださいね。