X脚になることで、膝の関節に負担を増やしてしまう
発達障害のあるお子さんによく見られる現象として、「歩いている時に、膝の関節が歪む」ということがあります。
私の臨床経験上、特に歩いている時に体重を支えている方の足(踏ん張っている方の足)の膝が内側に寄ってくることが多いようです。
この歩き方を続けてしまうことで、やがて膝関節は内側に曲がっていきます。
そうすると、正面から見た時、両足が「X(エックス)」のような形に見える「X脚(エックスきゃく)」になってしまいます。
ちなみに正式な病名はX脚ではなく、外反膝(がいはんしつ)と言います。
さて、一旦X脚が起こってしまうと、それを修正するのは難しくなります。
靴の中に足底板(そくていばん)と呼ばれる中敷きを入れて、これ以上膝に負担が掛からないように予防する、という対処方法はありますが、これはあくまでも今後の予防であって、変形した膝の関節を真っ直ぐに治すことは容易ではありません。
そして膝の変形や歪みのあるまま大人になると、やがて膝の痛みにつながっていきます。
療育に通っている方なら、理学療法士や作業療法士に相談してみましょう
医学的根拠をベースに、子供の動きの中から歩き方や膝の問題を見つけ、評価をし、予防や改善に向けた取り組み方法を教えてくれるのが、理学療法士や作業療法士です。
特に理学療法士は、歩く、走るなどの動作の中から体の問題や課題を見つけ出すプロです。
歩いている様子を見るだけで問題が分かることもありますし、子供が遊んでいる中で、筋肉や関節の動きの評価をしたりします。
そして、「こんな運動を行なえばいい」とか「こういう歩き方は気をつけた方がいい」などの具体的なアドバイスをしてもらえます。
「立っている姿勢や歩き方が何かおかしい」と気づいた場合、(もしお子さんが療育に通っているなら)理学療法士の方に「この歩き方で問題がないか」、「将来痛みがでるリスクがないか」などについて、評価してもらうことをおすすめします。
なお、理学療法士の評価を受けるには医師の処方が必要ですので、まずは医師に相談してみましょう。
大人になってから痛みに悩まされないように予防をしっかりとしましょう!
繰り返しますが、膝の変形や痛みは大人になってからでは、手遅れです。
あまり問題が表面化していない時期から、適切な対処をしておくことで、予防していく。
これしかありません。
「こんなことになるなら、子供のうちにきちんと対処してあげていればよかった」と後悔することのないように、少しでも歩き方で気になることがあったら、専門家にすぐに相談するようにしましょう。
気付きが早ければ早いほど、将来のリスクが小さくなりますよ。