姿勢を良くするための習い事はスポーツでなくてもよい

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姿勢を良くするためにスポーツをする?

子供の姿勢を良くしたい!と考えた時すぐに思い浮かぶのは、「何かスポーツをさせたほうがいい?」ということだと思います。
「体の(特に体幹の)筋力を鍛えれば姿勢が良くなる」というのが一般的な感覚だと思います。そのため当サイトにお越しの方の検索ワードとして、「体幹,強化」や「体幹を鍛える」などという言葉が常に上位を占めています。

確かにある程度の筋力は必要です。しかしスポーツで鍛えないといけないほど必要でもありません。
もし良い姿勢を取るために十分な体幹筋が必要なら、若い人に比べ、高齢者の方のほうが姿勢が悪いはずです。
でもそんなことないですよね。
高齢者の中にもとても美しい姿勢の方がおられます。その典型が政治家の方。いくつであってもシャンとした姿勢の方が多いですよね。

そうなんです。
姿勢を良くするために一番大切なのは筋力ではないのです。

もちろんスポーツ(運動)を行うことで、基礎体力や筋肉そのもののパワーを養うことはできます。ですからスポーツそのものを否定しているわけではありません。
しかしパワーアップしたからといって、姿勢が良くなる保障はないのです。

では、何が大切なの?

当サイトやエッセイをお読み頂いている方ならお分かりだと思いますが、姿勢を良くするために大切なことは、「習慣」です。
例えば、水泳に週二回通っていても、「あぐらをかいてポータブルゲームをしている」、「ソファーや床に寝転んでテレビを見ている」、「正しい姿勢を取る習慣を持っていない」などの生活様式だと一向に姿勢は良くならないのです。

また「運動部で積極的に活動しているのに、腰が痛いとか肩がこるとかよく言っている」というお悩みをお持ちの方がおられると思います。
こういった事例では、運動そのものが姿勢改善の効果になっていないばかりか、姿勢の悪さが新たな痛みを生み出す原因になってしまっているのです。

その視点から考えると、スポーツをさせて体を鍛える前に、姿勢悪化を改善させておくことのほうが大切です。

姿勢を良くするためには、どんな習い事がいいの?

姿勢を良くするという観点で習い事をするなら、「良い姿勢習慣付けることができるような習い事」がよいでしょう。スポーツに限らず。
つまり「良い姿勢を保つことが活動の中に入っているもの」です。

文化的な活動では、書道や華道、茶道などが挙げられます。
運動(スポーツ)では、ダンスやバレエ、柔道、剣道などが挙げられます。

これらの運動はその運動を開始する(あるいは終わる)時に「姿勢を正す」という習慣がありますね。
実はこの姿勢を正す習慣が積み重なっていくことで、脳の中に「良い姿勢を取る感覚」が養われていくのです。

一旦記憶した良い姿勢の形は忘れない

姿勢を正すということを高い頻度で続ければ、それはやがて「当たり前の姿勢」になります。

そうなってはじめて「日常の中で役立つ良い姿勢の獲得」ができます。だから「○○しただけで姿勢が良くなる!」とか「たった△△だけで姿勢が良くなる!」などと巷で言われるものもありますが、そんなことはありえないのです。

綺麗な姿勢を獲得するまでにはそれなりの時間が必要ですが、その反面「一旦体で覚えてしまえば、脳の中に良い姿勢の形が記憶され、また日常の中で使っていくことでいつまでも良い姿勢の形を忘れずにいることができるように」なります。

つまり、一旦脳(小脳)の中に記憶された良い姿勢の形は、いくつになっても脳の中で記憶されたままになるのです。それは自転車に乗ることと同じで、「いつでも記憶の引き出しから出すことができる状態」で保存されているのです。

 

習いごとを考える時のご参考になれば幸いです。
もう少し具体的な話が聞きたいな、という方はお問い合わせフォームからどうぞ。