※神戸ことばとからだの発達相談室ゆず 言語聴覚士鈴木美佐子作成。
※「言葉の遅れのあるお子さんの『言葉を引き出すコツ』講座」配布資料より抜粋(無断転載禁止)
神戸ことばとからだの発達相談室ゆず
メラビアンの法則
メラビアンの法則、という言葉をご存知ですか?
上の図を見てください。
コミュニケーションには、「言葉を使ったコミュニケーション」と「言葉を使わない(非言語的)コミュニケーション」の2つがあります。
このうち、言葉そのものの意味によるコミュニケーションは、全体の7%しかありません。
一方で、言葉を使わないコミュニケーション(非言語的・ノンバーバル)は、全体の55%を占めると言われています。
つまり、言葉そのものによるコミュニケーションよりも、言葉を使わないコミュニケーションの方が圧倒的に多いということがお分かりいただけると思います。
姿勢も、コミュニケーションにおいて大事な役割を持っています
言葉を使わないコミュニケーションの中に、「姿勢」も一つの要素として挙げられます。
姿勢の違いだけで、相手に与える印象が180度違ったものになる、ということを私たちは経験しています。
例えば、あなたが今日起こった出来事について、家族や恋人に話しているとしましょう。
その時、聞き手の人が、椅子の背もたれにもたれ、腕組みをして聞いていると、あなたはきっと「真剣に聞いてくれていない」と感じるでしょう。
逆に、体を前に乗り出して、しっかりと自分の目を見ていると、「真剣に聞いてくれている」と感じるはずです。
このように、姿勢というものは、ノンバーバル(非言語)コミュニケーションにおいて、重要な役割を持っているといえます。
姿勢が悪いというだけで、「やる気が無い」「覇気がない」「素直ではない」などの印象を与えてしまいます。
普段の生活の中だけなら、さほど問題もないかもしれません。
しかし、それが就職試験の面接会場だったらどうでしょうか。
はじめは緊張感が高く、意識するため、よい姿勢で面接を受けることができるかもしれません。
しかし、姿勢というものは、付け焼き刃でよくなるものではなく、面接が進むにつれて、無意識に姿勢が崩れたりします。
そうなると、面接時の印象は一気に悪くなってしまうでしょう。
逆に、はじめから最後まで良い姿勢を保ったままでいることができると、「芯のある人だ」「将来をしっかり見据えている」などと好印象を与えることにつながります。
まさに、これこそが、姿勢がノンバーバルコニュニケーションの重要な一部分を占めることの証明です。
子どものうちに姿勢を良くすることは、将来への投資活動
子どもの頃から良い姿勢を習慣づけさせてあげることは、将来にわたって子どもが高い評価をもらえることにつながるのです。
良い姿勢は、習慣により作られます。
そう考えると、子どものうちに正しい姿勢を学ばせてあげることは、子どもが大人になってからの高評価につながるための投資活動のようなものであるといえます。
「子どもの頃に正しい姿勢を学んでいてよかった」と子どもに実感してもらえるようにしてあげることが、大人の役割ではないでしょうか。
目先のことだけにとらわれず、長期的な視点で「姿勢を良くする意味」を考えてみましょう。
大切な我が子の将来のために。