発達障害児の体の二次障害、予防していますか?
発達障害のあるお子さんの場合、心の二次障害については、色々と語られることが多くあります。
例えば、自己肯定感を少しでも高めることが大事、とか、引きこもりを予防するためには、自分の得意とすること・自信のあることを見つけさせること、などです。
ところが、「体の二次障害」については、あまり語られることなく、気付かれないまま大人になり、そして痛みが出たりしてしまいます。
体の二次障害とは、「関節に負担のかかった歩き方」から来る膝や足首の痛み、姿勢の悪さから来る「側弯(背骨の歪み)」などです。
特に多いのが、膝の痛み
特に、発達に遅れのあるお子さんが、成人後によく見られる体の二次障害として多いものは、「膝の痛み」です。
発達障害のお子さんは、足の裏が真っ直ぐに床面につかず、足の裏の内側に体重がかかりやすく(外反扁平と言います)、その結果膝の関節が、内側に倒れる傾向があります。
そのような歩き方を続けているうちに、次第に膝の関節が中を向いた状態になってきます。
これを専門的には、X脚(えっくすきゃく)と言います。
X脚での生活が長くなると、膝の痛みが出現しやすくなってきます。
ただし、こういった痛みが起こるのは、多くは成人してからです。
子どものうちに痛みが出現すれば、早く手を打てますが、成人後に出てきた痛みは、対処療法しかない場合が多く、痛みが完全に消えないことが多いです。
子どものうちから、予防しよう
大人になってからでは遅いので、子どものうちに、できるだけの予防をしておくことが大切になります。
例えば、足に合った靴を選ぶことや、外反扁平かどうかをチェックしておくこと、弱い筋肉を知って、しっかりと鍛えられるようにしておくこと、などが対処方法となります。
そのためには、将来起こりうる問題がないのかどうか、についてキチンと評価を受けて、今できる対処方法(子どもによって課題が違います)を実践していくことです。
このような取り組みをしておくことで、将来の痛みを予防することにもつながります。
ぜひ、心の二次障害だけではなく、体の二次障害の予防も考えておきましょう。
参考までに、私の経営する発達相談室のブログで書いた記事リンクを貼っておきます。合わせてお読みください。
発達障害のあるお子さんの体の問題が放置されている。将来、慢性痛につながりますよ、と断言できる理由(神戸ことばとからだの発達相談室ゆず)
合わせてお読みください
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